気候変動と人口の増加とは、どの程度関連性があるのでしょうか。情況が悪くなると生物は多産になるのか、危機感などもその原因でしょうか?

人類社会は自然環境の影響を直接的に受けないよう、文化文明を発展させてゆきます。授業でもお話ししたとおり、現在では古墳時代は寒冷期であったと考えられていますが、その際にも人口は増加し統一王権が誕生しているのです。環境の圧力が高まってこれまでの方法では人口を支えられなくなると、一時的に人口の増加は伸び悩み、場合によっては縮小しますが、技術の革新や集約が行われ、その圧力に対抗できる情況が整えられると、再び増加傾向に入ってゆく。生物の危機対応としての多産もないわけではありませんが、そうした人間の生態、環境の情況に介在する文化、社会のあり方を考えてゆかねばならないでしょう。