蛇革の財布にお金を入れているとお金持ちになる、と聞いたことがあります。これは、蛇のどのようなイメージに由来するのでしょうか。

これは、蛇についていえば最も古い、死と再生の象徴ということになるでしょうね。モノの表象は、時代的に何が支配的になるかという変遷はありますが、例えば前時代のものがある時期にまったく生滅してしまい、別のものと入れ替わるということはあまりありません。前時代の多くのものは、勢力を弱めながらもどこかしらに生き残ってゆきます。蛇は仏教によってマイナス・イメージを強くしましたが、その再生への信仰は現在でも残り続けており、蛇神を祭る神社や祠が各地に存在します。蛇革の財布もそうしたイメージからの派生で、類似のものには、蛇が財宝を守っている、虹(天の蛇との観念があります)の足下には財宝が埋まっている、などの伝承が存在します。