なぜ縄文は、生と死に関する信仰が強いのでしょうか? / 半定住を行っていた縄文の人びとにとって、自然環境はそこまで脅威だったのでしょうか?

災害だけが生活の脅威ではありません。自然環境への依存度が強ければ強いほど、彼らの生活は自然の情況に左右されやすく、例えば気候条件が悪化して生活地域で食物が得られなくなれば、飢え死にをする人間、体調を悪くして病死する人間も増えることになります。些細な怪我で亡くなる人間、動物に襲われて喰われる人間、狩猟や漁撈の際に事故死してしまう人間など、日々の暮らしは死と隣り合わせだったはずです。そうした情況であればこそ、生命への希求、再生産への欲求も大きかったものと考えられます。