仮説を立ててそれを証明するのと、実際の遺跡などに基づいて仮説を立ててゆくのとでは、どちらのほうがよしとされるのでしょうか?

いえ、どちらが良い/悪いということではなく、同じことです。ある問題について仮説を立てるとき、無から仮説を立てることは学問においてはありえず、何らかのデータが参照されます。文献史学の場合は主に史料、考古学の場合は出土資料(遺跡・遺物など)に基づき、それを分析し、解釈して仮説を構築します。それが正しかったかどうかは、永遠に分からない場合もありますし、直接関係する文献や遺物が発見・発掘されて、判明する場合もあります。仮説はふつう、現在参照しうるあらゆる資料を参照して立てるものなので、それをすぐに意図的に立証するというのは、歴史学・考古学の場合、情況として不可能です。