気候変動などで、なぜ既存の集落の放棄や断絶が起きるのでしょうか。その集落にいた住人たちはどこに行くのですか?

授業でもお話ししましたが、例えば良好な環境下で稲作の収穫量が伸び、集落の人口も増大したとします。しかし、寒冷化によって稲の収量が落ち込み、増加した人口を維持できなくなってしまった。そうしたときに集落が解体しより小規模なものに分離したり、あるいはより気候や条件の良い地を求めて移動したり、変動下の災害によって集落を破壊され移動を余儀なくされたり、ということが生じるわけです。住民たちは飢餓や災害によって死滅する場合もありますが、別の場所へ移動して新たな集落を形成する、あるいはより生産力のある大きな集落に吸収されるといった形で、生存していったものもあったと考えられます。