神霊を呼び寄せるための楽器が、音が出なくなってしまっては意味がないのでは?

授業でもお話ししたと思いますが、祭具の特徴が変わってゆくことと、祭祀の形式が変わってゆくことを、同時にみてゆく必要があります。楽器としての機能が主要であった頃の銅鐸には、文様があまり存在しません。逆に楽器としての機能を喪失した銅鐸には、種々の装飾とともに絵画が施されてゆきます。当初は神霊を呼ぶ楽器として用いられたものが(呼ばれた神霊は、シャーマンに憑依したのでしょうか)、やがて例えば神霊の宿るもの(依り代、神体的なもの)として、位置づけを変えていったのではないかと考えられます。