魏が邪馬台国を重視したのは、何が目的だったのでしょう。

授業で説明しましたが、大月氏を重視したのと同じく、中国王朝が伝統的に用いる政策・戦略のひとつ、遠交近攻策であったと思われます。魏が注視していたのは、長く燕の従属下にあった朝鮮半島でしょう。海路を通じて呉と結びつけば、厄介なことになります。高句麗は燕を滅ぼすために魏に協力しましたが、そののち、魏と邪馬台国が通交していた240年代には何度も反抗し、征伐と恭順、さらなる反抗を繰り返していました。魏にとって邪馬台国と結んでおくことは、朝鮮半島の経営を有利に導くためにも必要だったのでしょう。