伽耶諸国とヤマト王権が鉄と青銅器とを取引していたとのことですが、青銅器にそれほどの需要があったのでしょうか?

巴型銅器や筒型銅器は、倭の豪族たちが、自分たちの宝器として半島にもたらしたものと考えられます。鉄素材に対する直接的な交換品というより、協力関係を結んだ証のようなものだったのでしょう。実際の交換品は、米や塩、人などと想定されてきましたが、近年、韓国の古墳から、クスノキコウヤマキの木棺が出土しており注目されています。植生としてはあまり豊かではなく、アカマツなどが多い朝鮮半島では、いずれも自生していない樹木でした。これらは、半島の需要を埋める貴重な交易品だったと考えられます。