神社の起源は玄界灘の沖ノ島での自然祭祀であったが、そもそもは中国から伝わったと考えることは可能か? なぜなら、「神社」は音読みであるので。
まず、ぼくの話し方が悪かったのだと思いますが、沖ノ島がすべての神社の起源になるわけではありませんので、間違いのないように。4世紀、日本各地で類似の自然祭祀が始まるということです。これらは、当初は専用の社殿などを設けず、露天で行われていたことが分かっています。のちに、仏教の影響などもあり、神の住処、あるいは祭祀の場としての社殿が建設されてゆきます。古墳時代から神仙思想の影響があるので、このような自然神の形象にも、中国文化の影響が少なからずあります。飛鳥時代以降に明確になる祭祀の祝詞などにも、漢籍からの影響が読み取れるのです(例えば「大祓祝詞」には、仏教経典『本願薬師経』の文言が援用されています)。しかし、神社はカミノヤシロと訓読みできますので、ジンジャが即中国文化に繋がるわけではありません。