「天皇」の語が「天皇大帝」に由来するなら、それは中華なる概念を日本に導入したことを意味するのでしょうか。

中華概念については、大化の改新以降に順次導入されてゆきます。とくに、須弥山像を宮都の飛鳥に築き、同地が仏教的な意味で世界の中心であることを宣言、エミシやハヤトを呼び寄せて服属儀礼を行い、それを通じて中華皇帝に対する「夷狄」を創出したことは、そのことを明瞭に示しています。「天皇」号の使用は、その延長上にあるとみてよいでしょう。