「不改常典」のとおりに、本当に皇位継承は行われえたのでしょうか?

授業でお話ししたとおり、「不改常典」がいかなるものなのかは、史料には明確に語られていません。しかし、元明以降の天皇が即位の際、それをあたかも天智の権威で正当化するかのように口に出すのです。奈良王朝の皇位継承のあり方と結びつけて考えれば、それは中国的な父系直系継承の原理、具体的には(藤原氏外戚とする)草壁の子孫に皇位を嗣がせてゆくこととみられますが、それは結果論です。「不改常典」のとおりに皇位継承が行われたのではなく、かかる皇位継承を実現するために「不改常典」が持ち出された、誤解を怖れずにいえば「創り出された」のです。