国史・西洋史・東洋史の3区分で捉えているのは日本と韓国のみとのことですが、中国は国史と西洋史の2区分ということでしょうか。
一般的には、自国史とそれ以外の国々の歴史=世界史、ということになるのでしょう。中国では、広大な地域において種々の事情の相違がありますので、やはりナショナル・スタンダードが完徹されているわけではありません。1999年から現在まで続く教育改革のなか、2001年に示された「課程標準」によれば、歴史教育はやはり中国史/世界史に分かれ、近現代史に重きが置かれています。前者は唯物史観に基づく思考型の要素もあり、中華帝国が世界のなかで衰退してゆき、社会主義を掲げて現在に復興したことが肯定的に語られます。後者は、15世紀までの「古代史」と「近現代史」に分かれますが、前近代の内容は希薄です。中国からの留学生などに聞いてみても、古代や中世の世界史は詳細に勉強できない情況があるようです。