人間と神の境界が曖昧ということは、日本人にとっての神とはけっきょく何なのでしょうか。キリスト教などの一神教の神=the Godと同じ日本語なのが不思議です。

その感想・疑問はよく分かるのですが、同時に、神を人間から屹立させるキリスト教的な神観念自体も、普遍的事実ではないことを理解すべきです。つまり、人間/神が連続するような神観念、これは実は世界的に強固に広がる観念で、神は精霊的な存在といいかえてもいいわけですが、そうした宗教観のなかで暮らしている人びとにとっては、the God 自体が極めて不思議に映るのではないでしょうか。