アジア的生産様式について学べる本があれば、教えていただきたいです。

残念ながら、アジア的生産様式について、一般的に分かりやすく書いている本はありません。とくに1980年代よりも前、マルクス主義全盛期に書かれたものは、文章自体が極めて難解です。専門書ですが、同様式の議論が世界中でどう展開したかを網羅したものに、福本勝清『アジア的生産様式論争史―日本・中国・西欧における展開 ―』(社会評論社、2015年)があります。あとは、読む事典として比較的分かりやすいのが、『マルクス カテゴリー事典』(青木書店、1998年)。これで必要な箇所を引いてみるのもよいでしょう。近年はマルクスアナーキズムの思想が見直されていますので、マルクスの考え方自体を一般向けに概説したものは幾つかあります。佐々木隆治『カール・マルクス―「資本主義」と闘った社会思想家―』(ちくま新書、2016年)、同『マルクス 資本論』(角川選書、2018年)などが、手に取りやすいかと思います。