神身離脱の問題は、税の徴収システムの綻びという問題でもあるのではないか?

重要な指摘ですね。より正確にいいかえると、勧農イデオロギーの不全、ということになるかと思います。8世紀は温暖化により農業の収量が増え、条里制にも基づく耕地開発や、三世一身法から墾田永年私財法に至る土地制度が整備されてゆき、有力農民から新興の富豪が生じる社会変動が起きてゆきます。しかし一方で、天然痘の大流行をはじめとする災害や飢饉も頻発し、共同体の生業の維持・発展を保証してくれる神祇への信仰が動揺してくるのです。神身離脱はそうした情況のなか、国家的に信奉された仏教を介して神祇を活性化し、自然環境=神と人間との新たな契約を実現したものとも解釈できます。