アイヌを示す言葉が史料のなかで幾つか出てきているのですが、どのような基準で分けられているのでしょうか?

授業のなかでも言及しましたが、例えば「骨嵬」は、アムール川流域の諸民族が用いるツングース諸語、ニヴフ語などでアイヌを意味する"kuyi""kui"に、漢字の音を当てたものと想定されています。これは元朝の表記ですが、清朝には「庫野」という表記もみられるようになり、やはり"kuyi"を指すものと考えられます。亦里于は異なる音を持ちますが、骨嵬と同じ北海道側からサハリンへ侵入してきていますので、やはりアイヌ民族系のサブ・グループではないかとの見解があります。