外国人に比べ、日本人は過去の問題に対する憎悪があまりないように思えますが、教育のせいなのでしょうか?

「国民性」という不正確な言葉はあまり使いたくないのですが、確かに列島社会には、感情の爆発について抑制的なところがあるかもしれません。しかしそれは必ずしもよいこと、理性的なことを意味しません。むしろ事を荒立てない、問題を対象化するのを避けてやり過ごそうとする傾向が強いのであって、そのために女性、性的マイノリティー、民族、障がい者被差別部落などなどに対する差別問題が、未だにまったく解決しないのだということもできるでしょう。一方では、そうした人々に対し激しい憎悪をぶつけるヘイト・スピーチ、ネット上での攻撃も巻き起こっていますので、むしろ弊害の大きい事柄として、しっかり検討したほうがよいと思います。