弥生時代初期の水田開発に際して行われた森林伐採は、青銅器によって行われたのでしょうか、石器によって行われたのでしょうか?
正確には分からないことも多いのですが、樹木の伐採は、実は縄文時代の石斧でも充分に可能なのです。こちらのページでみられるように、実験でも確認されています。縄文時代の回で写真をおみせしたように、縄文前期の三内丸山遺跡の時点で、すでに栗の大径木を構造材に用いた巨大建造物が作られています(復元した形そのままのものが存在していたわけではないでしょうが、栗の大径木が柱として屹立していたことは確かです)。あれはその場所に自生した木を加工せずに建てているわけではありませんので、縄文の人々が巨樹を伐採し、自らの生活に役立てていたことは疑いがありません。弥生時代の低湿地林の伐採は、栗の大径木の伐採よりも容易であったはずです。