日本と中国の死生観の相違や共通点についてレポートを書きたいのですが、史料や遺跡などについて調査すれば分かるものでしょうか。日本を一括りにして、普遍化できるものでしょうか。

充分な質・量の史資料を収集し、きちんと分析できれば、ある程度のことは分かります。先行研究もいろいろありますので、最新の研究を参照してください。なお、日本にしても中国にしても、限られた史資料から普遍化するのは危険です。授業では、時間もないので省略していますが、黄泉国の単元でも「肥後型石室」などの話を出したように、横穴式石室ひとつをとっても、地域的多様性があります。装飾古墳の装飾壁画もしかり。時代・地域の多様性・特色に注意しながら、日本列島なら日本列島の、傾向(これも相違点と共通点を明確にして、総括すればよいことです)を導き出せばよい。中国ほど巨大になると、さすがに幾つかのグループに区分する必要があるでしょうが、例えば山東半島などに列島と類似の要素が多く見出せれば、伝播のルートが判明する可能性もあるわけです。