本当にヨーロッパに大河はなかったんでしょうか。

もちろん、ライン川ドナウ川といった河川があり、流域には鉄器文化も存在したようです。聖なるオークなどの樹木崇拝を核とするドルイド教に基づき、広大で深い森林に定着したガリアやゲルマニアの文化は、しかしローマの度重なる遠征を受けて次第に疲弊してゆきます。彼らにとっての森林は生活と宗教を形成する基盤でしたが、ローマ的観点からすれば、それが部族同士の広汎な交通を遮断、大規模な社会の組織化を阻害したということになるでしょうか。