2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・幾つかの点で、誤字・返り点の脱落等がありますが、ケアレスミスの範囲です。あとは、『箋注』の訓読にもう少し忠実であった方がよかったでしょう。 ・「指二人過失一曰レ短」(レジュメp.1-l.19)……「人の過失を指す…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・書き下しについては、幾つか返り点の誤りがありましたが、とくに指摘が必要なものはありませんでした。 ・「綱目集覧」(レジュメp.5注22)……「綱目」については『資治通鑑綱目』でいいのだと思うのですが、「集覧」が…
【テーマ】下記の3点より任意のひとつを選び、史料・研究文献を読んで調査し、自分なりの考えをまとめなさい。なおその際、講義の内容を踏まえること(批判しても構わない)。 1)日本史教育と日本史学との関係はどうあるべきか。具体例を挙げて現状を分析…
そうですね、これは比較して論じると非常に面白いテーマだと思います。前二者はどちらかというとヨーロッパ的(北欧もしくはイギリスの臭いがします)なアニミズムを湛えていますが、石と草原が主要な舞台で、森林がほとんど出て来ないのが特徴的です。精霊…
基本的にはぼくもそう思います。人間にとって最も大事なのは想像力で、それによって経験を超えることも可能です。しかし自覚しておかなければならないのは、その想像力にも限界があり、またその可能性は経験によって培われるということです。質問では「死」…
関係ありますね。とくにラピュタの核が巨大な樹木であり、そこに動植物の楽園が広がっていること、人間が存在しないことが重要です。地球軌道を回る巨樹の絵は美しいですが、しかし、アニミズム的な意味での深まりはあまりみえません。人間と自然との関係も…
子供が面白がってくれるか、楽しんでくれるかというのが重要な課題でしょうが、「子供が生まれてきて良かったと思えるように」という発言を最近よくしています。「よかった」の前提には、とうぜん「よかったのか」という疑問、もしくは絶望があるわけです。…
これもいろいろな解釈が可能でしょうね。これは非常に男性的な意見ですが、宮崎駿にとって、やはり命を産み落とす母親は自然の代名詞なのでしょう。男性=文化、女性=自然という意味づけは、フェミニズムやジェンダー研究によって、女性の可能性を限定し束…
「キリスト教色を払拭」というのは、キリスト教が護教的に自己を正当化し、その教義を強制し、それに反するものを排斥するベクトルを除くという意味でしょう。水の上を歩くという神話的表現は、何もイエスの専売特許ではありません。絵コンテに書いてあるよ…
これは想像力が試されるところでしょう。読んで字のごとくで、ガラス板に描いたような二次元的な絵が、ゆっくり回りながら遠くなって行くということですね(何の説明にもなっていないか)。『銀河鉄道の夜』のなかに、黒曜石でできた銀河の地図が出てきます…
映画というものは、必ずしも制作者の意図に従って観なければいけないというものではありません。ただし作家論として考えるならば、「少女の成長を描いている」という〈分かりやすい見解〉は、宮崎駿の意図とは違っています。彼はインタビューのなかで、「『…
いろいろな読み方ができると思いますので、何も正解を見つける必要はないでしょう。個人的には、これもアシタカの最後の台詞と同じ〈希望〉であると考えます。琥珀川は埋め立てられてしまったけれど、そこを流れていた水は、恐らくは地下水として巡っている…
古代においては、名前はひとつの物語です。氏族の持つウジ名やカバネ名は、自分たちの生活する地域との関係、王に奉仕するに至った理由などを体現する記憶装置でもある。名を負うということは、物語を背負う、父祖から自分へと繋がる歴史を担うことでもある…
このCMについては、以前にも講義のなかで言及しました。まさに歴史的認識の欠如した里山観で、残念なことにこちらの方が一般的な考え方なのです。現在の環境問題は政治や経済と密接に関係していますし、共生概念は日本人のアイデンティティを表すものにもな…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・幾つかの点で、誤字・返り点の脱落等がありますが、ケアレスミスの範囲です。 ・返り点をまたいで二字を一語に読む部分で、返り点を打つ位置が違っているようです。「整二勒戎馬一」(レジュメp.1-l.6)、「構二成擾乱…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・幾つかの点で、誤字・返り点の脱落等がありますが、ケアレスミスの範囲です。 ・「 為二中常侍樊豊所一レ譖而卒」(レジュメp.2-l.18)……「 為二中常侍樊豊一所レ譖而卒」と返り点を振って、「常侍樊豊が為に譖せられ…
凄く難しいことを書いていますね。人類文化に普遍的な〈死と再生〉の思想に準えていうなら、死に続けることは新しく生まれ続けることでもあるということになります。勝利/敗北、生/死などはいずれも相対的なものですから、一方へ追い込まれたときは必ずも…
非決定については、決定をすることの方を弱さと考えるのです。実は、人間は安定性を志向する生き物ですので、どっちつかずの情況に自分を置くということは、心身に大きなストレスをかけることになります。どこかに身を置いて安定したいという欲求が、友人関…
どうでしょう。洋画にしても邦画にしても、ちゃんと論じることのできる作品はあまりない気がします。以前、茨城大学で「日本と世界の歴史」というタイトルの集中講義をしたとき、『もののけ姫』と対の教材になるような洋画を探したのですが、ピンとくるもの…
そうですね。『ナウシカ』の王蟲はまったく人語を話しませんからね。ただし、シシ神や木霊は人語を解しているのかどうかも分かりませんし、サンもその声を聞き取ることはできません。自然の核になる部分はやはり人間には理解しえないものだ、その思考の枠組…
ああ、どうなんでしょう。そういう世界観で読み解くことも可能なのかもしれませんね。『播磨国風土記』などでは、国譲りで有名なオホクニヌシなどは巨人として語られていますからね。ただ、シシ神の夜の姿であるダイダラボッチは、そういう巨人伝承の形象化…
以前多少説明したような気がします。少なくとも、「日本が自然と共生してきた」といえるかどうかが甚だしく疑問である点は、講義の1回目から口を酸っぱくして語ってきました。もしそれを聞いていないのだとすれば少々萎えますが、講義を聞いたうえでさらな…
アニミズムの最も古い形式は、もちろんヒエラルヒーなど持たないと思います。人間生活の変化に応じて神の世界も変容してゆくわけで、例えば農耕社会に移行すると、農耕に直接関わりのある太陽神や雷神(大地を母とみるとき雷は父であり、その落雷=性交によ…
レジュメにも書きましたが、もちろん植物性を持つか否かで類別することもできます。木霊はともかく、鹿をモチーフにしたシシ神になぜ植物性?と考える人もいるでしょうが、鹿の角や足はよく樹木の枝や幹に喩えられたりするんですね。シシ神の角は、通常の鹿…
それがアニミズムという原初的な宗教の形態です。近代的学問に支えられた世界観を持つ私たちは、身の回りの命について考える場合、まず生物/無生物という類別を持ち出しますが、アニミズムにおいてはそうした差違はありません。森羅万象のあらゆるものに神…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・「 忠怪、使一所親二問曰、前大夫為レ君設除レ大舎」(レジュメp.5-l.8)……正しくは、「 忠怪、使二所親一問曰、前大夫為レ君設二除大舎一」となります。 【注意すべき漢文訓読のスキル】 ・云・曰・言・謂などの相違…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・「燕」の説明について(レジュメp.2注7)……召公奭を「武王の弟」とするのは誤りです。周王室と同じ姫姓であることは確かですが、彼がいかなる出自の人物であったのかは定かではありません。 【注意すべき漢文訓読のス…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・「項籍使レ将レ兵」(レジュメp.1-l.7。一・二点は使わない)……「項籍兵に将たらしめ」と読んでいますが、「将」は「ひきゐる」とも訓めるので、「項籍兵を将ゐしめ」としても間違いではありません。現代語訳としては…
【レジュメの訂正点(主要なもの)】 ・報告で省略されていた箋注部分の訓読は以下のとおり。 テキスト右頁l.5.……「寧馨はなお此くの如しと言ふがごとし。晋人の語なり」(「寧馨」とは「このような」という意味の晋の言葉である)。なお、この箋注を無視し…
受講生の皆さんが詳しく調べてきてくださるので、時間内に充分なコメントをすることができていません。報告者にはそれぞれレジュメを添削して返していますが、答案と同じものですから、それをそのまま受講生全員に配布するわけにもいきません。よって、今年…