古代の書物は、どこに行って、どのようにすれば読むことができるのでしょう。普通の図書館にあるとは思えないのですが。

例えば『日本書紀』は、8世紀初めに書かれた原本は残っていません。その後、書写し書き継がれた複数系統の写本が存在しており、これは宮内庁書陵部奈良国立博物館などの研究機関、北野天満宮熱田神宮などの神社、天理大学國學院大學などの大学が所蔵しています。近年はそれらの影印本もずいぶん刊行されてきましたので、その他の大学図書館でも写本の微細な表現が確認できるようになってきました。また、国史大系日本古典文学大系、日本古典文学全集など、それらの写本を校訂し原本の記述を復元したテクストが、広く利用されています。これらは一般の図書館でも読むことができます。