俗人が修行して仙人になるのとは対照的に、仙人が俗人に堕とされる物語もあったのでしょうか。

有名なのは、例えば『西遊記』に登場する孫悟空です。彼は修行して神仙の知・技を会得し、天界で不老長寿の桃を食べ、冥界で不死を手に入れるなどして、天帝に匹敵する地位という「斉天大聖」を自称します。しかし、その暴虐武人ぶりが仙人や神仏を怒らせ、下界に堕とされて山の下敷きにされてしまうのです。悟空と旅を共にする猪八戒沙悟浄も、もとは天蓬元帥、捲簾大将という天界の武官だったのです。