先日吉野ヶ里に行ったのですが、発掘品を復原した琴が展示されていました。当時から音楽と宗教とは関係があったのでしょうか。

授業でも触れましたが、琴は神憑りを呼ぶ楽器であったと考えられます。考古遺物としては、人物埴輪のなかに琴を弾く姿のものが存在したり、あるいは他界(死後の世界)を描いたらしい古墳壁画のなかに、琴らしきものが確認できたりします。『日本書紀神功皇后摂政前紀(仲哀天皇9年3月壬申朔)条には、「皇后、吉日を選ひて斎宮に入り、親ら神主と為りたまひ、則ち武内宿禰に命せて琴撫かしめ、中臣烏賊津使主を喚して審神者としたまふ」とあり、神功皇后が自らに神霊を憑依させて神語りし、その内容を中臣が読み解くなかで、武内宿禰に神憑りを導く琴を弾かせる場面が記されています。