「実在を証明する」ということは、「非実在を証明する」ことと同じくらい困難です。仮に「真筆」がみつかったとしても、実在にまったく疑いがなくなるかというと、そうでもないでしょう。すでに死んでしまった人、そして今生きている人が生前の姿を記憶に留めていない人、その実在を100％立証することは、恐らく不可能です（写真が残っていても、映像が残っていても）。常に議論は蓋然性の問題、どう考えるのが可能性が高いのか、という点に帰着すると思われます。なお、現在の聖徳太子否定論も、厩戸王は実在しても聖徳太子はいなかった、という議論ですので、その存在自体が０から構築されたとは考えていません。念のため。
