一般庶民への処置のひとつに、餅の使用がありましたが、当時餅は一般的な食べ物だったのでしょうか。大切なときだけに食べるというイメージがあるので…。

この餅については、少し考えてみる必要がありそうです。餅は消化によいことは確かなので、もち米をふかして乾燥させたものが、保存食として広く存在した可能性はあります。また、もともとの漢文には「煎餅」とあるので、この言葉にこだわるとすれば、これは唐から輸入された菓子の一種で、米粉や小麦粉を練って油で焼いたものを意味することになります。煎餅は当時宮廷で好まれましたが、一般庶民が口にしていたかどうかは分かりません。あるいは、穀物の粉をこねて焼いたものを総称しようとしたのかもしれません。