現在、米の産地は北陸や東北が多いのに、日本への稲作伝来が南方からというのが不思議でした。

東北や北海道で稲作が可能になったのは、絶えざる品種改良によって、南方品種のイネを寒冷地対応に変えていったためです。品種改良の歴史は平安時代から始まりますが、現在の東北・北陸の米所を生み出してゆく画期になったのは、近代の「陸羽132号」という品種です。これは、当時植民地であった朝鮮半島や台湾にも輸出され、「稲の大東亜共栄圏」を出現させるために使用されました。