「不改常典」は、具体的にどのような内容だったのでしょうか。いまも存在するのですか。

授業でも何度か触れましたが、これは内容が分からないものなのです。学界では多くの議論があり、天智が最後に大友皇子に譲位をしようとしていたところから「中国的な父系直系継承」を意味するとするもの、あるいは中大兄が蘇我本宗家を滅ぼし大王への権力集中を実現した大化の改新そのものを指すのだ、とする考えもあります。いずれにしろ、成文化されたものではなく宮廷の口伝ともいうべきもので、それゆえに情況に応じて新たな意味が付加され便利に使用されていった、そもそもそうしたものとして生み出されたのではないかとも考えられます。