一端僧侶になった人物は、自由に還俗できるのでしょうか。

出家・得度については厳しい制限がありましたが、還俗については、関連官庁への報告をしっかりと行えば、ある程度僧侶の自由意思に任されていたようです。出口より入口が厳しかったのは、僧尼身分が課役免除の対象となっていたからです(よって、還俗をした場合には再び租税賦課の対象となるため、関連官庁への報告が義務付けられたのです。隠匿した際には処罰の対象となりました)。律令国家建設当初には、陰陽道など学芸・方技の専門官僚を確保するため、僧侶に適任者がいればこれを強制的に還俗させる措置が取られました。