頭に蛇を載せた土偶には驚きました。シャーマンには女性が多かったのでしょうか。

実は、あの土偶がシャーマンを示しているかどうかは、曖昧なところが多いのです。土偶を何らかの神格、例えば大地母神のようなものとみなせば、その性格と蛇の性質とが一致しているがゆえに、まさにギリシャ神話のメドゥーサのように造型されたのだとも考えられます。シャーマン説は、民俗学の桜井徳太郎以降、列島文化におけるシャーマン=女性の構図が強固に作られてきてしまった影響があります。事実、列島における現存のシャーマンは、青森のイタコにしろ、沖縄のユタやノロにしろ、女性です。しかし、アジア全般で考えてみますと、歴史的にも、シャーマンは必ずしも女性ばかりではなく、男性のほうが多いような状態なのです。果たして縄文時代はどうだったのかは、慎重に考える必要があります。