2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

里山は、放っておいても豊かにはならないのではないですか。適度に木を伐ったり、手入れをしないと、里山は死にます。

よく勉強していますね。ある意味では正しいのですが、ある意味では間違っています。まず、里山が豊かということが、いかなる状態を指すのかが重要です。人間にとって豊かという意味なら、里山自体、人間が生活に利用するために構築した疑似自然環境ですので…

環境によって、文化が共通しているという話に惹かれました。ということは、植物以外に、海の潮の流れが同じ地域も共通の文化を持つということもありますか?

ありうるでしょうね。ただし、いくら同じ海流が流れていても、人間が生活を営む地域の地形・植生・住んでいる動物などが違えば、文化はそれぞれの固有性をもって展開してゆきます。海流は広汎な地域をめぐってゆきますから、それらにある共通性は、同一の環…

照葉樹林文化論という考え方を初めて知りました。シルクロードによる文化の伝播と同じようなことになるのでしょうか?

シルクロードによる文化交流は「伝播」ということですが、照葉樹林文化論のそれは、生態学的共通性ともいえるものです。もちろん伝播がないわけではないのですが、伝播がなくとも、同じような環境のもとに同じような文化が構築されるというのがポイントなの…

昔の里山が緑で溢れていなかったという事実にびっくりしました。でももし禿げ山であったのなら、例えば「桃太郎」で「お爺さんが山へ芝刈りに……」とありますが、あれは何をしにいっていたんですか。

いいところに気がつきましたね。この桃太郎のお爺さんの行動こそ、室町期以降に禿げ山、草山、柴山としての里山を考えるうえで重要なヒントを与えてくれているのです。現在、「昔は田畑に肥料として何を与えていたのか」と問うと、たいていの人が「堆肥」と…