「木鎮め祭儀」のような祭儀は、日本以外にもあるものなのでしょうか。ヨーロッパなどではどうなのでしょうか?

後のケルト的な色彩を持つヨーロッパの基層的宗教文化(ドルイド教)は、オークを神聖視して、人間を含めた供犠を行っていたことが分かっています。神聖な樹木を伐る必要が生じたときにも、その種の祭儀を行ったのでしょう。ちなみに、今年の初めに東京国立博物館で行われていた特別展「マーオリ:楽園の神々」では、ニュージーランドのマーオリ人が行った木鎮めのありよう(主に造船目的)、まさに斎斧というべき神聖な斧〈トキ・ポウタガタ(1500〜1900年頃)〉などが紹介されていました。木鎮めは、決して日本のみに固有の祭儀ではないと思われます。