昨年、愛知県田原市の吉胡貝塚(縄文時代後期〜晩期)で、乳児と子犬が合葬されていたとして話題になりました。狩猟などに使われ人間と親しい関係にあった証拠であるといわれています。しかし、私は少々そういう現代的見方に疑問を持っていて、中国での犬の扱われ方からすると「祓除」のために埋められたのではないかとも考えています。動物に関しては祭祀に関わる埋納と、親しい存在として大事に葬るあり方の二通りが考えられます。後世になると、生業に伴う形で殺された牛馬等の家畜に対する供養碑も増え、特別なものではクジラや草木を対象とする供養塔も出てきます。これはアニミズム的感覚と結びつくものでしょうね。