イースター島の人たちは、森林を伐採してまでモアイ像を建てることが馬鹿げているとは思わなかったのでしょうか。

イースター島の人々が、神への贈与や蕩尽を続行することこそ、自らの生活の繁栄をもたらすと考えていたとしたらどうでしょう。いかなる犠牲を払っても像を建立し続けることが、彼らにとっては、幸福と安定へ続く唯一の道だったのかも知れません。これほど社会が情報化して地球全体を概観することができなかったら、恐らく現在の私たちも、「馬鹿げている」とは考えずに資源を貪り続けていたことでしょう。まさにミニ地球というわけです。ただし、講義でお話ししたのはひとつの仮説に過ぎず、イースター島の宗教については、今後も周辺諸民族の文化との比較からより深く考えてみる必要があります。