聖徳太子は実はいなかったといわれていますが……実際はどうだったのでしょう。

大山誠一さんの学説ですね。厩戸王という王子がいたことは確かですが、『日本書紀』に記されている「聖徳太子」としての彼の事績には粉飾が目立つということです。ちなみに手前味噌ですが、最近の大山さんの論考には「崇仏論争は『書紀』の構築したフィクションである」というぼくの論文が引用され、『書紀』という正史を相対化する重要な根拠のひとつとなっていますよ。