日本でも三途の川の渡し銭というのがありますが、紙銭はこれと関係があるのでしょうか。そもそも、あの世でもお金が取られるというのは、なんだか納得できません。
繋がりがある習俗だと思います。「地獄の沙汰も金次第」という諺には、もちろん日本の実情も反映しているでしょうが、そもそも中国的冥界が中国王朝の官僚社会に基づいて構築されたことを引きずっているのでしょう。ただし、貨幣がアジア世界に誕生した殷王朝の頃には、それは死者の復活を呼ぶ呪具のひとつでもあったようです。古代日本でも、埋葬などの際に土地神から土地を借り受けるため貨幣を埋納する例がみられますが、それも復活の呪法の名残なのかも知れません。