2008-07-07 歌が呪術的な意味を喪失するのはいつのことでしょう。 日本史概説 I(08春) 中国の『詩経』より踏襲した「歌は鬼神を揺り動かすもの」という意識は、奈良時代の藤原浜成『歌経標式』、平安時代の紀貫之『古今和歌集』序にまで続いてゆきます。本来、宗教儀式と密接に結びついていた芸能が娯楽・芸術として確立してゆくのは中世後期、室町時代頃のことなので、歌の持つ呪術性も、その頃までは何らかの効力を保っていたと考えられます。