ジブリアニメに対する個人的な疑問なのですが、なぜ宮崎作品にはお婆さんキャラが多く、逆にお爺さんキャラは少ないのでしょう。何か特別な意味があるのでしょうか?

宮崎駿も、以前は頻繁に男性老人キャラを出していたように記憶しています。初監督作品である『未来少年コナン』でも、主人公コナンの育ての親であるオジイ、ラナの祖父ラオ博士が重要な位置を占めていますし、『ルパン三世カリオストロの城』でも城の庭丁の老男性が渋い味わいを出していました。『風の谷のナウシカ』のユパなども同様だろうと思います。強い老女性キャラが目立つようになるのは、『天空の城ラピュタ』あたりではないでしょうか。どうやら宮崎駿のなかでは、凛とした少女→母性溢れる母親→強い老婆という理想の女性像が存在するようで、この流れを描いてゆこう(描きたい!)という意志が強いですね。周囲からは「またワンパターンの聖女像」と批判されているので、時折それに答えるようにキキや千尋といった「等身大の少女」を描こうとするのですが、どうしても自らの欲望に忠実になってしまうように見受けられます。あえて老人を描くことに力を入れた『ハウルの動く城』も、これまでの表現の域を出るものではなかったですね。