亀卜の実験では、亀はどうやって手に入れて、甲羅を剥がしたのでしょうか。

授業中も話しましたが、亀甲の入手について、ぼくは関与していなかったので分かりません。殷代では、マレーシア産の大陸亀を使用していた形跡があるものの、大部分は20センチ程度のクサガメやハナガメでした(すなわち、海亀を用いた日本とは違って、すべて陸亀だったわけです )。背甲と腹甲を繋ぐ側壁に刻まれた「武丁特殊記事刻辞」によれば、周・唐・羌・雀・画といった諸族・諸方が亀甲の貢納に関わっていたようです。殷王のもとには卜府と呼ばれる卜占専門の機関があり、亀甲はここへ蓄えられ、必要に応じて裁断・整形され貞人(卜官)たちに供与されました。