亀の甲羅の亀裂がすべて同じような形になるのなら、どのように吉凶を判断したのでしょうか。

実際には微妙な相違があります。殷代では、亀裂が入るときの音も重要な意味を持ったようですが、後代になると、亀甲への傷の付け方が変わり、より多様な亀裂とその読み取り方の定型化が進みました。『史記』亀策列伝には、亀裂の図こそ消えてしまったものの、いかなる亀裂が何を意味するのかという短文が列挙されており、当時の亀卜の実態を知るための重要な史料となっています。亀裂について書いた図は、日本の三宅島などの古文書に残っていますし、亀ではなくて羊ですが、中国雲南省少数民族にも同様の図柄が残っています。