外国人が国内の政治に参加するのは難しいと思うのですが、渡来系の人々はどのように台頭したのでしょう。

とにかく、中国や朝鮮半島の先進文化に基づく知識・技術、それが王権に重宝されました。なかでも、律令国史の編纂事業に関わった人々は功績を認められ出世します。しかし、五位以上に到達するのは希で、実務官僚としては重視されても国政に参与することはできませんでした。例外は百済王族が帰化した百済王氏で、ヤマト王権が滅亡した百済王家を包含するという形式を採ったことから、五位以上の高位高官に昇る者も輩出されました。また、桓武朝には同天皇の母の出自を正当化するため、渡来人に対する優遇措置が採られたといわれています。