今日の講義ではたくさんの人物が出て来ましたが、彼らに関する記述は国史以外にあるのでしょうか? 学問に優れている氏族ならば、伝記などを作るのも可能と思うのですが…。

確かに、後世の伝承や氏文などに登場する人間もいます。例えば土師宿禰甥などは、菅原道真の流れの始祖に位置付けられてもいます。しかし、古代においては、私的な文書の残存が極めて少ないので、かつて存在していたとしても現在はみられなくなってしまっていますね。ちなみに、『書紀』や『古事記』などの国史的な史料のなかには、個人や氏族の作成した伝承や文書が史料として用いられていることが明らかになっています。