木幣は、アイヌの人々しか作っていないのでしょうか。昔読んだ、縄文と弥生の移行期を舞台にしたファンタジー小説に、似たものが出てきた気がするのですが。

恐らく、アイヌ縄文人の末裔とする立場から書かれたんでしょうね。その繋がりをまったく否定することはできませんし、近年ではDNA分析の結果アイヌ縄文人は直結するといった見解もでてきています。しかし、木製品は酸化しやすいため、縄文のような古い時代のそれは残りにくく、縄文イナウの実在を証明する遺物はみつかっていません。また、アイヌ文化自体も長い時間をかけて変化していますので、果たして現在のアイヌ文化の諸特徴がどこまで遡りうるものなのかは不明です。類似のものは神道やその他の民俗信仰でも使用しますので、逆に、もっと広がりのある文化なのだと論じることもできるでしょう。