熊送りの儀式で熊の解体を行うのは、一族の長でしょうか。ケガレのような観念はなかったのですか。

とくに長が行うということではなく、一族みな(力の要る仕事は男性)で解体を担ったようです。平等性の強い狩猟採集社会では、信仰の対象であり主要な食物でもある動物を解体するのは、ケガレが忌まれるというより逆に栄誉ある行為でしょう。動物解体業者を差別し永続するケガレを付与するのは、主に農耕社会の所産です。