崇拝される狼の毛は、すべて蒼(白銀)のような気がするのですが、毛による認識の差異はあったのでしょうか。

どうでしょうか。そうした視点で考察してみたことがありませんでした。恐らくは希少個体である白毛が重視され、中国文化圏(日本を含む)では祥瑞(王権を祝福する瑞兆)と扱われた例はあるのですが、銀毛はどうなのでしょう。とうぜん、輝くような美しい毛並みは尊ばれたとは思いますが。そういえば、チンギス・ハーンのボルテ・チノも一般には「蒼き狼」と訳されていますが、ボルテはモンゴル語に忠実に訳すと、「白っぽい地に交わった暗灰色の斑」という意味になるそうです。蒼穹そのものの色でしょうか。