日本の亀卜では海亀が用いられたとのことですが、日本では海亀の方が身近だったということでしょうか。

必ずしも身近であったわけではありませんが、古墳時代に亀卜が開始され、以降律令体制下でもその役割を担ってゆくのは、壱岐対馬・伊豆という海に面した国々です。その他、亀卜のために亀甲を供給する地域として、紀伊・阿波・土佐が定められていますが、これらも海亀の産卵地や廻遊地域に当たっています。歴史的には、中国伝来の亀卜を伝えた海洋文化が、それを担った人々ごと律令体制へ組み入れられたものでしょうが、やはり占いに使用できる面積の極めて広かったことが選択の要因でしょう。