史料9・10・11で、卜占の結果「災禍がある」と出たにもかかわらず、それを回避する努力はしなかったのでしょうか。

これはけっこう根本的な問題ですね。祟ありとの占断に対して祭祀を要請する卜辞もありますので、史料9・10・11でも、何らかの形で回避が図られた可能性はあります。その際は、回避行動が正しく行われたので軽く済んだ、といった認識へ落着してゆくのだと考えられます。それなら、王自身による占断の価値も否定されず、未来をコントロールしてゆく能力も否定されません。