青銅器は祭器とのことですが、実際の祭祀ではどのように使われていたのでしょう。豊作祈願や吉凶を占う際、シャーマンが祭器に祈りを捧げていたのでしょうか? / 武器という人の命を奪うあまりイメージのよくないものが、なぜ祭祀に結びついていったのでしょうか。

弥生時代の祭祀の具体相については、実はよく分かっていません。考えられるのは、青銅器が神を祀るための道具として必要だったか、もしくは神を勧請する憑代として使用されたということです。武器は、敵を倒し自分を守る道具であるがゆえに、辟邪の象徴とされました。楽器も、その音色によって神を招いたり、やはり邪なものを払ったりする機能があるとみられていました。弥生の神はやはり自然を象徴するものであり、鳥を介して天、鹿を介して地が神聖視されたものと思われます。とすれば、青銅器はそれらを呼び寄せる祭場から邪鬼を祓い、守護するために置かれたのかも知れません。