周代においても、卜占が政治の道具になったり、政策の行方を左右するような効果を持っていたとの記録はあるのでしょうか。あるいは、卜官が自分の思うように結果を操作するなどのことはあったのでしょうか。

次回以降に扱う『春秋左氏伝』や『国語』などの説話的記録のなかに、幾つかのエピソードを見出すことができます。亀卜の結果がある程度の予言性を持ち、それを君主が受容するか拒否するかで、国の命運が大きく左右されたことを伝える物語も存在します。それらを残したのが史官たち自身であるわけですから、自分たちの気概を示したもの(あるいは立場を正当化したもの)と読むこともできますね。