『日本書紀』巻30独自の表記からは、どんなことが分かるのでしょう。

全体的特徴としては、歌謡がなく訓注も少ないこと、漢文としては倭習がなくα群に近いことなどが挙げられます。面白いのは独特な表記で、他の巻では「大津皇子」「高市皇子」などと書かれる人名表記が、「皇子大津」「皇子高市」と逆転していたりします。また、「奉幣于四所伊勢・大倭・住吉・紀伊大神」などのように、列挙した名詞の上にその数を冠する表記などが指摘されています。